2025年3月になり新生活シーズンになりました。そんな中、私も2019年から住んでいた札幌の地を離れ、再び関東に戻ることになりました。諸事情で現在は3ヶ月だけ期間限定での旭川生活になってしまいましたがそれはまた別の機会に……
個人的な備忘録も兼ねて、本稿では6年間札幌に住んで感じた色々を総括として振り返ってみようと思います。内容はとても個人的な記事です。
実は2020年に「札幌」に来て感じたことは既に記事としてまとめてあります。概ね感じていることは大きく変わっていないですが、もしご興味があれば併せてどうぞ。
時系列的な流れ概要
2019-2020前半
新生活がスタートしたことで、色々な刺激が多かったな〜と思う。正直もう6年も前の話なので当時のことはもう記憶から溢れ落ちている部分も多い。なにやってたんだっけ。多かれ少なかれ青春はしていたのかな。札幌の人付き合いの体感半分はこの時期に出会った人。
2020後半-2022
2年目に差し掛かってからの3年間がしんどかった。コロナ禍の影響をもろ食らったことが主原因で、とにかく人付き合いが制限されていた。結局この間ほとんど新しい出会いが誕生しなかったし、日常生活に大きな刺激が少なかった。数少ない友人と交流があっただけまだだいぶマシだったと思う。
2023-2025
若干生活フェーズが変わったこともあり、徐々にコロナ前の活気というか交流が生活の中に現れてきた。人と会う絶対量が格段に増えたのがこの時期。ただ、ちょうどこれからが面白くなってきそう!といったタイミングで結果的にタイムアウトで札幌を離れることになってしまい、ちょっと残念。正直コロナがなければ……という恨み節は多かれ少なかれ存在する。
札幌の街に感じたこと
これは前述の記事と被る部分もあるけどそこは目を瞑ってほしい。箇条書きっぽく書いてみる。
よかったところ
200万人近くいる都市とはいえ、コミュニティは結構狭いと感じる瞬間が多かった。誰かと誰かがここで繋がっているのか!と感じるところ。
春〜秋の道の広さ。中心地なら割とどこも基本2車線・歩道付きであるので運転がしやすく歩きやすい。関東だとこうもいかない。運転するなら北海道は結構いいところ。
広い大地、自然を感じられるところ。北大の農道をはじめとしてだだっ広い敷地に青空、新鮮な空気を吸えるのはよかった。ちょっと郊外に出ればTHE 北海道な景色が目の前に広がるのは心が開放される気分だった。
地震が少ない。胆振東部の時に札幌市からこの文言消されたけど、実際本当に地震は少ないと思う。震度1-2揺れるやつですら「おお…珍しいな」のレベル。東日本大震災以来関東民としては地震に慣らされてしまった側面は少なからずあると思うが、ここまで少ないのは精神衛生的にすごくよかったと思う。ちなみに調べたら統計的にも少なかったみたい。
わるかったところ
文化的な享受が少ない。デザイン系の展示とかはほとんど札幌ではやらない。単純に情報があまり入ってこないこともあったのかな。出歩かないインドアなのがバレてしまうかもしれない。
日本の端っこすぎてどこ行くのもデバフがかかること。特に自分みたいに同人活動するとなると北海道から絶対でないとやっていけないのが辛い。あとは就活の時にこれを特に感じた。企業は一次選考を対面にするな。呼ぶならせめて交通費出してくれ。もっとオンラインを活用してくれ。
車がないと遊びに行くバリエーションが極端に減る。地下鉄沿線だとすすきの〜札駅しか行く場所がない。だんだん飽きてくる。車の有無でだいぶん町の感じ方が変わっちゃうと思う。自転車だけでは限界があるのかな。
雪がどうしてもマイナスに響く。自転車が使えないのもでかい。行動範囲が一気に縮小する感じ。日照時間も少ないので関東みたいにずーっと晴れていた地域に住んでいた人間的には精神的に参る。この時期病む人多いっていうのも聞いた。
雪虫。あまり知られていないけど初雪が降るちょっと前の時期に死ぬほど虫が出る。大きさは小蠅サイズでふわふわしたワタがくっついていたりくっついていなかったり。チャリでこの時期乗ると悲惨。2024はあまり出なくて嬉しかった。
たまにミサイルが飛んでくる。一回着弾警報が出たのは流石に勘弁してほしい。
総括
単純に自分みたいな色々同人系で活動している人間だと札幌のような地方都市は向いていなかった。せめて太平洋ベルト上にはいたいなと思ったり。そもそも札幌はハマる人、ハマらない人の二極化が激しい都市だと思う。同じような感覚に陥っている人が周りにも複数いたし、一方でどハマりしている人もいた。自然が好きでとか農業が好きでみたいな人は札幌は本当にいい町だと思う。
あちこち動き回ってなにかを収集するタイプには向いていない。特に車がないとそこの制限が大きく出る。タイムズカーシェアは比較的多くあるが、休日は埋まっていることも多く、好きなタイミングで使えない……車の有無は一つの解像度が大きく変わるポイントだったのかなと旭川住んで自分の車を持ち始めてから感じたことである。
言いたいこと
これはずっと何かにつけて言っていることだがみんな一度は別地域に住む経験はした方がいいと思う。特に関東出身者は大抵の場合、関東外から出ることもなく人生を終えていく……という人も少なくないだろう。確かに地方に住むメリットよりデメリットを多く感じ取る人は少なくなさそうだ。だが、視野の広がり方という観点ではやはり「別地域に住む」経験は何にも代えがたい。これは別に関東出身者に限らず、札幌の人間にも感じることもあった。北海道に移り住んでから、道内出身者の中には「札幌が一番」と考えている人や「なんとなく道内で一生を過ごしたい」と考えている人が少なからずいた。これも、井の中の蛙状態で、非常に勿体ないことだと思う。旅行で行くのと住むのはその町への解像度がまるで違う。
その土地その土地で違った価値観や、良さ、そして悪さを持っているが、それは実際に自分で体験しないと気づけないことが非常に多い。是非複数の土地に住むという経験を読者の皆さんにはしていただき、それを踏まえてから「私は東京がいいな」とか「私は北海道がいいな」とかを感じ取ってほしい。今のネット主流の社会でも、この経験の重要性は今後も唱えていきたい。
余談になるが、あべっちの札幌住んでからのここに住みたい論だと
- 太平洋ベルトから外れると(文化面などのリソースの極端な減少が)キツい
- 関東圏はどこも人が多すぎ。全然気持ちが休まらない
- 札幌はのんびりしている。コミュニティも「ちょうどよい」大きさで、なんというか中高生の1学年のような延長線上を生きているように思う
といった理由から、若いうちは関東圏に住みたい。年をとってからはもうちょい田舎だけど、都市にも出やすい静岡(の東部、三島とか)に住みたい。生まれの地が実は静岡県なので、ずっと愛着があるだけなんだけど……
まとめ
雑多に札幌6年間の生活を振り返ってみた。これが全て私の言い表したいことを正確に表現できている感じはしないし、まだまだ言い足りてない点もたくさんあると思っている。「今この瞬間」どう感じていたかのメモとして、自分の備忘録として書き殴った。みんなのリアルな都市論は聞いてみたいな。