通勤電車の座席を買っちゃった話

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こんにちは。あべっちです。

いきなりですが、

通勤電車の座席、欲しくないですか?

え?違いますか。少なくとも私はそのうちの一人でした。一般人が手に入れられないものを所有しているという快感は何にも代え難いです。きっと道路信号機が欲しい人と気持ちは一緒でしょう。

もう何年もそんなことを思っていたのですが、座席を盗むわけにもいかず当然叶うはずのない夢でした。さらに面倒なことに私は古い車両の廃車発生品ではなく、なるべく最新形式の座席が欲しい人間です。電車市場で本物モケット使ったクッションが販売されていたりしますが、これを切り貼りして本物の座面を作るか…と思った時期もあったものです。

そんな中転機が訪れます。始まりは12月初旬に見たとあるツイートでした。どのツイートか忘れましたがとにかくE233系0番台の座席を買っている人がいたわけです。ご存知E233系は現在関東圏の広範囲を走る通勤電車です。まさに求めていた座面でした。

もちろんこれを見た頃には販売は終わっていたので

「や〜〜〜〜〜〜〜欲しかったな〜〜〜〜〜〜〜〜」

と心底悔しい思いをしました。当時のツイートがこちら。

そんな中あるオタクからLINEが入ります

買うしかないじゃん

そんなわけで12月9日の発売日待機をし…

買いました。わーい

ちなみに親からは

「マジで買ったの!?」

と、ドン引き。なかなか理解してもらえませんでした。

買ったはいいものの、届くのは半月以上先の12月下旬で到着には時間があります。座面だけ買ってその後家の端で埃被らせる可能性も全然あるので、それまでの間に座面設置できる土台を作ることにしました。

というわけでここからは資料収集です。新津公開の時の写真を漁ったり、なぜか手元にあったE233系の本物の断面図などを参考にしつつ、土台の設計を行います。鉄は熱いうちに叩け精神でとにかく予算も気にせずどんどん進めていきます。

全然材料系の人間ではないですが、たわみの計算なども(雰囲気で)行いしっかり強度を保てるフレームを設計しました。当時のスケッチなどはこんな感じ。

レシピ(作り方など)

さて、ここからは今回の放出で同様の座面を手に入れた方向けに、どの材料が必要でどう作ったのかを説明していこうと思います。

材料(2人座席用)※耐荷重はわからないけど参考数値で3人座席用も掲載

  • アルミ角材(50mm角。ホムセンで入手)
    • 920mm×1
      • (3人掛け用)1380mm
    • 820mm×1
      • (3人掛け用)1280mm
    • 200mm×4
    • 80mm×2
    • 500mm×2
    • 200mm×2
    • 355mm×2
    • 450mm×2
  • アルミ角材ジョイント(ここで買いました)
  • 角材端用キャップ×8(ビスのせいで2個余っちゃったけど本来はこの数でいいはず)
  • ステンレスパイプ(浴室用)
    • ⌀38mm×820mm×1(本来は820mmでいいですが、組み立て時歪むと若干数値が変わるので後から買ったほうがいいです。私は825mmで買いました)
      • (3人掛け用)1280mm
  • T字隅金×4(200mm補強角材固定用)
  • ⌀38mmブランケット×2(クローゼットの端っことかの受け皿)
  • S字バネ×10本(ここ(サヤマ道具屋)で買える。amazonのやつは余計なのがついているのでこちらを使用。「Sバネ 8番(線径4㎜)x400 H40 10本セット」を購入)
    • (3人掛け用)15本
  • バネ引っ掛けるクリップ×20個(amazonのやつ使った)
    • (3人掛け用)30個
  • ドリルビス(4×16)×110個くらい(意外と使うので多めに買うと吉。100は絶対使う)
    • (3人掛け用)もう少したくさん
  • ダブルクリップ×2-4個

道具

  • 電動ドリル(トルクがまあまああるやつじゃないとドリルビス打てないので注意)
  • 金鋸
  • 布やすり(バリ取り用。#40,100を準備すると良い)

アルミ角材カットする部分が結構多いので、長い(4m)とかを買ってホームセンターでカットしてもらうのが一番楽です。家でどうしても変な切り方しないといけない部分があるのでそこだけ金鋸で切りましょう。一回切るのに1時間かかりますがそこも一応折り込んでいただけると…

まずは金鋸で450mm角棒の端を加工します。座席固定時干渉箇所を除去するためで、写真のように加工します。

切った後はやすりがけを行います。#40で最低限のバリを取りましょう。バネも最後切る必要がある部分があるので、予めやってもいいかもです(切る場所注意。後述)。

あとは組み立てるだけです。ネジ穴開ける際に大量のアルミカスが出るので、仮で締めた後に一度全部抜いてカス取りした方がいいかもしれません。

左右の土台をまず組み立てます。特に説明不要でしょうか。ネジ締め本数はお好みで。底部をネジ締めすると床を傷つけそうなのでそこだけ気をつけて、底部は左右を留めるのがいいでしょう。組み立てるとこうなります。

ネジ締めは角から15mm、写真のように締めました。

補強で角材を後から追加して安定度を上げました。隅金(Tっぽい形のやつ)で固定しています。片側上下だけ留めていますが、両側やってもいいかもです。L字アングルでもいいかもしれませんね。

制作中の一コマ。既に左右平行になっていないような…

ちなみに左右の土台連結時に1番上のこれ

があると邪魔なのでこれだけ後でつけましょう。(自分はつけて作業しちゃって大変だったような…)余っている角材を下に敷けば連結時やりやすいですよ。

左右連結時は820と920mm角材を同時に設置します。仮止めしながら組み立てましょう。

最後に先程後回しにした上側角材を取り付けます。

私は最後になってしまいましたが、ここで浴室用パイプを計測の上購入、設置を行いましょう。最上部にブランケットを写真のように片側設置します。反対側は、パイプを設置した状態で工事しないとパイプを入れられなくなるので注意しましょう。

次にバネ受けを設置します。本来の向きもあるのでこのように125mmずつで設置を行います(両端から順番にやっていくと真ん中のバネの向きが変化するところだけは100mm程度の間隔になります)。前後でバネ受けの位置に気をつけて設置しましょう。ばね受け設置位置は画像を参考にしてください

バネ受けが設置できればいよいよラスト、バネの設置です。バネ設置時に、両端だけはどうしても長すぎるため、横棒1つ分をカットしましょう。この際、切る向きに気を付けて、画像のように切断を行ってください(自分は本来と逆に切ってしまったために、バネが抜けやすくなってしまいました)。バネ自体はめちゃくちゃ硬くて恐らく専用器具なりないと曲げが難しそうなので気を付けてください。また、横ばねについては下にアルミ角材があるため、座ると当たるっぽいです。音が気になる方は下に適当なフェルト生地(百均など)を両面テープで固定の上敷いておくことをおすすめします。

大事なことを忘れていました。座面の後ろ側部分の挟むやつも設置しないといけません。本来はバネ型のクリップで挟んでいるのですが、いい感じの商品が見つからなかったのでダブルクリップ(幅31-32mmのやつ)をねじ止めでやっています。もともと4か所で留めていたようですが、面倒なので両端の2か所だけに設置。圧着端子で無理矢理クリップ部分を押さえつける荒業ですが、そこは目をつぶっていただいて……ダブルクリップのサイズ違いとかだとうまいこと挟めずに逃げてしまったので注意してください(写真のものに変えてからは大丈夫です)。

以上で土台が完成です!あとは実際の椅子を設置するだけ!お疲れ様でした。

設置すると…

わーーーい!本物の電車の椅子だ!

1年程使用してみた感じ、おおむね問題はなさそうです。ただ、どうしても後ろをマジックで留めていないために座り心地は実物よりもやわらかめです。実物感に近づけたい人は後ろに鉄板やベニヤ板などで蓋をしたうえで、マジックテープを貼るとより良くなるのではないかなと思います。

ちなみにこれを買って以降中央線乗ってから

これ家にあるんだよな

と謎のマウントを毎回しています。大満足です。

(おしまい)

制作参考資料ギャラリー

作る人向けにもうちょっとだけ写真でご紹介

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