「札幌」という街を考える

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こんにちは。あべっちです。

ご存知の方もいるとは思いますが私は2019年度から札幌へ移り住みました。それから1年半以上が経過し、2度目の冬を迎えました。そんな私が関東からこちらへ引っ越してきてから感じたこと、そして札幌について考えてみたいと思います。

円山から見た札幌(西側から東方向)。中央に見える凸型の建物はJRタワー

まず、札幌の街は非常にコンパクトです。本当にコンパクト。主要な商業施設は概ね札幌駅〜薄野(すすきの)間にまとまっています。この間に大通りや狸小路があるので皆さんが想像する「札幌」といえば大抵はここを指します。

では札幌駅より北側はどうなっているのかというと、完全に学生街へと変化します。札幌駅を境にしてここまできっぱり分かれているのは面白いです。実際、札幌駅へ行くとわかりますが、北口と南口での景色は全く異なります。札幌駅北側には北海道大学や、藤女子大学、天使大学などの大学が密集するエリアです。変化の度合いとして例えるなら大きな駅の「新幹線側出口」と「そうじゃない側」ぐらいの違い。24条まで地下通路を伸ばして…。

遭難させる気満々の某大学

さて、北側はどこまで行っても学生街かというとそういう訳でもなく、24条に来るとちょっと雰囲気が変わります。実はここ24条は北区役所がある場所で、地下鉄南北線の当初の終点でもありました。現在は最盛期に比べると衰退しているようですが、飲み屋街が形成されており、たくさんの飲食店が立ち並ぶエリアが数条続いています。ただ規模は小さく23条〜25条のあたりに密集している感じです。さらに北へ行くと高速道路を跨ぎ麻生、そして石狩市へといきます(衛星写真で見る限り途切れ途切れではありますが住宅街が基本的に広がって海へ出ます)。

先ほどから何条何条と言ってばかりで札幌以外に住んでる人には全然感覚がわからん!という方も多いのではないかと思います。以下ではその辺の基礎知識を少々。

まず前提として札幌市は上の図のように碁盤の目状になっていて、実際このエリアに住んでると(x,y)感覚で北○西△とかで場所をイメージする癖がつきます。中心点はテレビ塔のある位置(厳密にはその東側)で、そこから西が大通り、南北に創成川が流れています。そこ中心で東西南北に住所が割り当てられています。なお、大通りは広いので、その位置にある住所は(つまりxy座標でいうx軸)大通西と大通東の2つが存在します。創成川沿いにはそもそも両岸に道路(国道5号線で川挟んで上下線あります)しかそこには存在しないので道を境に東西と非常にシンプルです。

基準となる大通り。テレビ塔展望台より

本題に戻り1条はどのくらいかというと約130~150mほど。一丁もほぼこの範囲内に収まります。私の場合は札幌〜大通り間が900mでその間に6条進むというイメージで感覚を掴んでいます。この感覚が掴めれば「ここ遠いなぁ〜」とか「これだったら歩いて○分くらいかな」がわかるようになります。便利。

ちなみにこれが通用する範囲どのくらいかな〜と思って最大値を調べてみたところ、北51、南39、西30、東30まであるみたいです。もちろん歪んでいる場所も多々あるので全ての組み合わせが存在する訳ではないですが、かなり広いことがわかるでしょう。

参考図。Twitter載せたらバズった

私がこちらに引っ越してきて感じた一番大きな違いは「遊ぶ場所が限られる」という点。今まで東京近辺にいたことが大きいのでもしかしたら他都市でも同じことは言えるのかもしれません。例えば公共交通機関をみてもわかるように、東西線、南北線、東豊線も全て大通りに集結する放射状に路線が伸びており、東京名古屋大阪のような環状線に相当する交通機関が存在しません。そのため必然的に(すすきの〜)大通り〜札幌エリアに娯楽施設や商業施設が集中してしまい、車を所持していない自分は特にですが何かするとなるとほぼここ以外行きません。しかも自分の場合大体は札幌駅周辺ですべて済ませちゃいます。また、一極集中しているため同一種類のお店のレパートリーが乏しいです。例えば自分の場合鉄道模型が好きで色々見て回りたいですが、気軽に行ける場所はポポンデッタとヨドバシカメラしかなく、東京でいうIMONのような商店がない…という事になります。こういうことはニッチな趣味になればなるほどこの傾向が強そう。ただ一方で、人気商品でも札幌だと置いてあったりすることがあるのはちょっとした利点。このあたりは一長一短な気もします。札幌ならではの楽しみ方をあまり知らないので何かアイデア欲しいなと思うこの頃。

こちらに来て大きく変わった点といえばもう一つ、「鉄道にあまり乗らなくなった」こと。鉄道好きのくせにこれはかなりの致命傷です。そもそも札幌自体がそこまで大きな都市ではないので移動距離が比較的短くて済むのも大きいですし、JRが札幌の真ん中を貫通しているため、小樽や新千歳などどこか行く用事を作らないとJRには乗らない。その辺ではないでしょうか。主に使うのは「地下鉄」になりました。こちらもちょっと特殊な(広義的)鉄道ですよね笑。

話は逸れますが、JRが赤字という問題はそもそも札幌に住んでいる人たちが日常的にJRをあまり使わないという問題が大きいのかなと思います。それは都市の形成過程上仕方のないことだと思いますが、もっとJRが札幌市民にとって使いやすいものになれば多少収入上昇するのかなとミクロの視点ではそう思っています(もちろんマクロに見れば赤字路線ばかりなので一枚岩とは行きませんが)。実際地下鉄の営業収支を覗くと地下鉄に関しては全路線黒字という点からもそれが伺えます。地下鉄をJRにすればいいのに。ちなみに名古屋も割と都市構造は近い(久屋大通と札幌の大通りも似ていますし名古屋と栄の距離感と札幌駅と大通の距離感も似ています)と思いますが、こちらは本州の地理的中心でもあり都市が沢山ある上「都市間輸送」が盛んなので、問題にならないのでしょう。対して北海道は日本の端っこであり都市間輸送もあまり見込めない。構造的な問題が大半を占めているわけです。「中間輸送」が見込めないという点ではJR四国と共通しそうですね。また単純に都市規模が小さく、車のほうが便がいいというのもこれに拍車をかけています。除雪など余計な費用が掛かるというハンデを負っているものの、せめて新千歳~小樽あたりまでは黒字になってほしい。部外者なのであまり大きな口叩けませんがそんな風に思っています。しかしコロナのせいで2019年に行った運賃大幅値上げがかき消されるほどの赤字は運がない…

話が大分逸れてしまいましたが、とはいえ最近はたま~にJRを追いかけて“撮り鉄”をしています。矛盾しちゃいますがやっぱ車ないとこういう趣味厳しいのかな…。

札幌に来てからまだまだ日が浅く、知らない場所や世界が沢山ある…というのもまた真実なのだと思います。実際まだ行ったことない観光地だって沢山あるし知らない場所もまだまだいっぱいあります。もっと開拓したい!!と思いつつ時間だけが経ってしまいました。ヤバい。

あとこれは東京の話になってしまいますが札幌に来て東京の「異質さ」にも気づきました。逆上京(下京?)ショック的なものでしょうか。

大きく分けると

  1. 東京の都市はデカすぎる
  2. 東京の人たちにはゆとりがない

という2点でした。前者は「札幌の街がコンパクト」なのではなく実は「札幌が普通のサイズ感で東京が異様なサイズ」ということだけで大体今まで言ってきた話です。後者は北海道引っ越してきてから目に見えない部分で感じたことで、内面的なことで言えば自分の場合はあまり早歩きをしなくなりました。東京にいる間はどうしても何かに追われている感じでちょっとでも時間を有効活用しようと自分を追い詰めていた気もしますし、周りの人たちもせかせかしていた印象があります。北海道来てからはそういうことがほぼなくなり「ああ…ゆとりっていいな」と何かから解放された気分になりました。周りを見て感じたことだと「エスカレーターも右側で立ち止まっている人が割といる(その辺あまり殺伐としてない)」、「電車の混雑も例え満員電車でもそこそこゆとりがある」というのは東京とは全く違うので意外でした。ただ何でもかんでも北海道のほうがゆったりしているかというとそういう訳でもなく、車の運転に関しては東京の人よりもよっぽどせかせかしていて荒いです。この辺の違いもちょっと興味深いです。

雪靴は必須です

他都市に住んだ経験がまだ乏しいので他の場合はどうなのでしょうか。皆さんはこの街をどう見ているのでしょうか。まだまだ知らないことも多いのでまた時間が経ったときに改めてこの街を考えてみようと思います。では、また。

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